ロカちゃんは、家の地下にあるパパの仕事場にしょっちゅう遊びに来ます。
そして、パパが絵を描いたり、何かを作ったりといった仕事をしていると
「おもしろそう!わたしもやりたい!」と、すぐパパの横で真似を始めるんです。
『100かいだてのいえ』を描いているときもそうでした。
ある日、パパの下書きをペラペラめくって見ていたかと思うと、
急に「わたしもかく!」と言って、コピー用紙を棚から引っ張り出してきて
おもむろに鉛筆で描き始めました(笑)
これが、ロカちゃんの描いた表紙です。
このときは、まだパパは表紙のデザインをはっきりとは決めていませんでした。
なので、これはロカちゃんが自由に考えたものです。
はてなマークがいっぱいありますね(笑)
そして、これはロカちゃん版のイントロ。
主人公は女の子。手紙が空から降ってきてます。
右に描いてある丸いものは池かな?
そして、最初のねずみさんが住んでいるページ。
パパのは、各ページに1ヶ所だけトチくんがいるのですが、
ロカちゃん版は、各階全部に主人公の女の子が描かれています。
なるほど、それぞれの階で主人公とねずみをお話させたいんですね。
ロカちゃんはパパの絵を見ながら、これらの絵を描いたのですが、
いろいろなところがロカちゃんのアイデアでアレンジされているのを見て
パパは、うーんこれもいいかも…と思いました(苦笑)
この頃、まだパパは下書きの途中で、いろいろ悩んでいるときでもあったので
横でこういうのをすらすら描かれると、とてもやりにくいんですよねー(苦笑)
でも、よくよく見るととても参考になるなあ、とも思いました。
ロカちゃんがパパの描いたもののうち何に興味を持ったか、
また、どんなところにイメージをふくらませたかがすごくわかるんですね。
この時ロカちゃんが描いた絵は、この3枚だけで
そのうち飽きたのか描くのをやめてしまいましたが、
それ以降も時々やって来ては、別な表紙を描いてみたり、
お話を書いてみたりと、ごそごそ隣でやっていました。
パパは、それを横目でちらちら見て、内心とても刺激を受けながら、
絵本を完成させていったのです。