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ロカちゃんと展覧会めぐり 夏休み編 その2
この夏休みにロカちゃんと行ったもうひとつの展覧会は、
神奈川県の平塚市美術館で開催中の
『田島征三展―絵本の大地・木の実の夢』。
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田島征三さんは、『しばてん』、『やぎのしずか』シリーズ、『とべバッタ』などで有名な絵本作家です。
かこさとしさんとは、まったく違う作風ですが、
パパは田島征三さんも昔から大好きな作家なのです。

この日は8月16日土曜日。平塚というところに行くのは初めてです。
午前中に家を出て、新宿から湘南新宿ラインに乗り換えました。
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電車の窓から外を見ると、真っ青な空に入道雲。
夏らしい、いい天気です。

新宿から平塚までは約1時間。
乗ってすぐに、「ねえパパ~なんかしてあそぼうよお~」と、ロカちゃんがぐずり始めました。

こんなとき、座席に座っていれば紙に絵を描いたりするのですが
電車が混んでいて、ふたりとも立っていたのでそれもできません。
「しりとりでいい?」とパパ。
「ふつうのしりとりじゃつまんない」と、ロカちゃん。
確かに、しりとりはもうあきるほどやっています。
いい遊びはないかなあ、とパパは一生懸命考えました。
こういう何もないときにこそ、結構いいアイデアが出るものなのです。

「そうだ!こういうのはどう?小さいものからどんどん大きくしていく遊びは?」
「え、どういうこと?」
「どちらかが、すごく小さいものの名前を言う。
そうしたら、もう一人がそれよりもちょっとだけ大きいものを言って、だんだん大きくしていくんだよ」
「おもしろそうだね!じゃ、わたしからいくよ。すごくちいさいものは…すな!」
「すなつぶ、ってことだね。じゃパパは…ノミ。」
「アリ!」
「ダンゴムシ」
「カタツムリ!」
「急に大きくしちゃだめだよ。ほんのちょっとずつ大きくしなくちゃ」
「じゃあ、カタツムリのあかちゃん!」
「ハハハ、じゃあパパは…ブルーベリーの実。」
「わたしは、えっと…パンジーのはなびら!」
「へえ、なんだかおしゃれだね。じゃあ、ドングリ。」
「クリ!」
「カタツムリのおとうさん」
「ふふふ、くるみ!」
「スーパーボール」
「スーパーボールっていろんなおおきさのがあるよ」
「じゃあ、中くらいのスーパーボール」
「まつぼっくり!」

こんな風に、相手よりもちょっと大きなものをふたりで次々と言い合いました。
途中、おにぎり→アンドーナツ→クリームパン、と食べ物が続いたり、
おふろのイス→ちゅうくらいのタオル→足ふき、とおふろシリーズになったり、と
相手の言った言葉に、こちらのイメージも左右されて笑えます。
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しばらくして座れたのですが、面白くてずっとこの遊びを続けていました。
ふたりの頭の中に、共通した「大きさのイメージ」があることが
手に取るようにわかってくるのが面白いのです。

そのうち、やま→みずうみ→くも→とうきょう→うみ→そら、と
ずいぶんスケールが大きくなってきました。

そしてついに、
ロカちゃん「ちきゅう!」
パパ「もくせい!」
ロカちゃん「たいよう!」
パパ「たいようけい!」
ロカちゃん「うちゅう!」
と、宇宙にまでたどりつきました。

ここで終わるのもくやしいので、
パパは、「宇宙よりも大きいものは…『人間の想像』、かな」と言ってみました。
「ロカちゃん、わかる?人は宇宙より大きいものを想像することができると思うんだ」

説明しながら、ちょっと理屈っぽかったかな、と思っていると、
ロカちゃんはすかさず「もっとおおきいものがあるよ!」と言いました。
これで終わりだな、と思っていたパパは、(えっ、なに?)とびっくり。

「それはね……ふふふ、『おおおとこのそうぞう』!
おおおんなでもいいよ~あはははは!」
これは一本取られました!!

ふたりで大笑いしているうちに、電車は平塚駅に到着しました。
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平塚駅からタクシーに乗って、5分くらいで美術館に着きました。
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時間はちょうどお昼です。まずは展覧会を見る前に腹ごしらえ。
インターネットで下調べをしたら、美術館内のレストランがなかなかよさそうだったので
ここでお昼を食べようと決めていたのです。
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予想通り、素敵でおいしいレストランでした。
公立の美術館に付属のカフェやレストランはたいしたことがない場合が多いので珍しいですね。
特にロカちゃんの食べたキッズプレートは、盛りだくさん&ヘルシーでとてもおいしそうでした。

さて、食事を終えていよいよ展覧会へ。
受付に行くと、今日は特別に追加でギャラリートークをやることになりました、と言われました。
えっ、どんなギャラリートークですか?と聞くと、
作家本人のトークでそのあとにサイン会もあるとのこと。
思いがけず田島さんに会えることになって、パパはものすごく興奮してしまいました。

実は、パパは大学1年生の時に、青山のクレヨンハウスであった
田島さんの講演会に行ったことがあり、『やぎのしずか』にサインをもらったことがあるのです。
それが、好きな作家にサインをもらった初めての経験でした。
もう27年も前のことです。その時のことが、はっきりと思い出されました。
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ギャラリートークは2時半からということで、まだ1時間半ほどあります。
ロカちゃんとゆっくりと展覧会を見ました。
ロカちゃんも「田島征三」という名前は知らなくても、
『とべバッタ』や『ふきまんぶく』は学校の図書館にあるらしく、よく知っていました。
途中『モクレンおじさん』という写真絵本を見て、
「これ、わたしもってる!これもこのひとなの?」と驚いていました。

パパも長年好きだった絵本の原画に出会えて大感激です。
特に、初期の泥絵の具で描かれた原画の色の美しさにハッとしました。

代表作のほとんどの絵本の原画が年代を追って見られ
常に自分の確立したスタイルを壊そうともがき苦しんだ田島さんの軌跡がよくわかります。
別室には、最近の木の実を使った大きな作品も展示されていて、
こちらも見ごたえがありました。

2時半からのギャラリートークには、たくさんの親子が集まりました。
田島さんは、絵本だけでなくエッセイもとびきり面白いのですが、
トークも自然体で、かつユーモアたっぷりで
みんな作品制作の裏話などに聞き入っていました。

ドングリなどを使った木の実の作品の説明では
「僕は、ドングリの"はかま"の部分しか作品に使いません。
どうしてかっていうと、ドングリ自体はリスとかの小動物が食べるから、拾わないんです。」
という話に感心しました。

人と、生きる姿勢と、生活スタイルと作品とがまったくぶれずにひとつになっている。
そしてそのどれもが、生き物への愛情や、生きるエネルギーに満ち溢れている。
それが田島征三という作家の魅力だなあ、とあらためて思いました。
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ギャラリートークのあと、サイン会になって、ロカちゃんは一番にサインをもらいました。
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サインをしてもらったのは、パパが選んだ『ふきまんぶく』です。
ふきまんぶく、とは「ふきのとう」のこと。

田島さんに「娘の名前を書いていただいてもいいですか?
ふきのはな、と書いてロカと読むんです。ふきのとうのイメージでつけました。」と、お願いすると
「へえー、あのくさかんむりのふき?」と、ちょっと驚いていました。
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ちなみに、田島さんの娘さんも、この絵本を描いたころに生まれて「蕗(ふき)」と名付けたそうです。
ロカちゃんの名前をつけた時には、『ふきまんぶく』のことはすっかり忘れていたのですが、
もしかしたら僕の潜在意識にこの絵本のことがあったかもしれないなあと、思いました。

田島さんの絵本はこの『ふきまんぶく』をはじめ、偕成社からたくさん出版されているのですが、
僕が同じ偕成社から『100かいだてのいえ』を出した年に、田島さんに偶然再会でき、
ロカちゃんの名前を書いてもらえたことにも、不思議な縁を感じました。
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パパも前から読みたかったエッセイ『絵の中の僕の村』にサインをいただきました。

サインをもらったあと、ロカちゃんは自分でも絵本を選びたがったので、
パパはもう一冊買ってもいいことにしました。
ロカちゃんは『やぎのしずか-3 しずか おめでとう』を選びました。
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そして、ふたりとも大満足して美術館の外へ出ました。
せっかくなので、石の上にカメラを置いてふたりで記念撮影。
うまく撮れたか確認すると、あれ?後ろの大きな金属の彫刻が
なんだか空中に描かれた線のように見えます。
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面白がって、ロカちゃんにポーズをとってもらって、
こんな写真を撮って遊びました。
(さっきと形が違いますが、この作品はゆっくりモーターで回転しているのです)
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帰りは駅まで歩くことにしました。
途中の遊歩道や公園では、うるさいくらいにセミが鳴いています。
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ロカちゃんの帽子でセミを捕まえて遊びながら、駅へと向かいました。
夏らしい、とても充実した一日になりました。

帰りの電車の中では、「うぶげ」からスタートする
「短いものをだんだん長くする」遊びをやりながら帰りました。
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P.S.
ところで、かこさとしさんの原画展で、だるまちゃんの絵本の印刷が原画に忠実だったと書きましたが、
田島さんの『ふきまんぶく』は、原画と絵本の色がまったく違っていました。
見比べてみると、原画の深みのある色、鮮やかな色が絵本ではまったく出ていません。
さらに一部、原画を撮影するときのミスなのか、絵がぼけてしまっているところもあります。
出版当時の印刷技術のせいかもしれませんが、
原画があまりに美しかったので、とても残念に思えました。
偕成社さん、なんとかして欲しいです。

ファンの方は、ぜひこの展覧会で田島さんの原画の美しさを見てください。
展覧会情報はこちら。8月31日(日)までです。
by iwaisanchi | 2008-08-24 18:51 | ◆このごろのいわいさんち
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