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ロカちゃん版 『100かいだてのいえ』
ロカちゃんは、家の地下にあるパパの仕事場にしょっちゅう遊びに来ます。
そして、パパが絵を描いたり、何かを作ったりといった仕事をしていると
「おもしろそう!わたしもやりたい!」と、すぐパパの横で真似を始めるんです。

『100かいだてのいえ』を描いているときもそうでした。

ある日、パパの下書きをペラペラめくって見ていたかと思うと、
急に「わたしもかく!」と言って、コピー用紙を棚から引っ張り出してきて
おもむろに鉛筆で描き始めました(笑)
f0118538_1324890.jpg
これが、ロカちゃんの描いた表紙です。
このときは、まだパパは表紙のデザインをはっきりとは決めていませんでした。
なので、これはロカちゃんが自由に考えたものです。
はてなマークがいっぱいありますね(笑)
f0118538_1325751.jpg
そして、これはロカちゃん版のイントロ。
主人公は女の子。手紙が空から降ってきてます。
右に描いてある丸いものは池かな?
f0118538_1336100.jpg
そして、最初のねずみさんが住んでいるページ。
パパのは、各ページに1ヶ所だけトチくんがいるのですが、
ロカちゃん版は、各階全部に主人公の女の子が描かれています。
なるほど、それぞれの階で主人公とねずみをお話させたいんですね。

ロカちゃんはパパの絵を見ながら、これらの絵を描いたのですが、
いろいろなところがロカちゃんのアイデアでアレンジされているのを見て
パパは、うーんこれもいいかも…と思いました(苦笑)

この頃、まだパパは下書きの途中で、いろいろ悩んでいるときでもあったので
横でこういうのをすらすら描かれると、とてもやりにくいんですよねー(苦笑)
でも、よくよく見るととても参考になるなあ、とも思いました。

ロカちゃんがパパの描いたもののうち何に興味を持ったか、
また、どんなところにイメージをふくらませたかがすごくわかるんですね。

この時ロカちゃんが描いた絵は、この3枚だけで
そのうち飽きたのか描くのをやめてしまいましたが、
それ以降も時々やって来ては、別な表紙を描いてみたり、
お話を書いてみたりと、ごそごそ隣でやっていました。

パパは、それを横目でちらちら見て、内心とても刺激を受けながら、
絵本を完成させていったのです。
by iwaisanchi | 2008-06-30 01:33 | ◆100かいだてのいえ
『100かいだてのいえ』ができるまで その2
”タテに開く絵本”を思いついて、さっそく建物の中身のスケッチを描き始めました。

まず最初に描いたのは、1階から10階までの部屋です。
ページをめくるごとに変化をつけたいな、と考えて
10階ごとに、違う動物がいろいろなスタイルで暮らしていることにしよう、
と思いついたのですが、最初からあまり突飛だとそのあとの驚きが少なくなってしまうので、
最初の10階は普通に人間の家に近くして、ネズミが住んでいることにしました。

これがそのときに描いたスケッチです。
f0118538_2242781.jpg
この頃は、かなり細長い絵本を考えていて、
ストーリーやせりふは入れないで絵だけで見せるつもりだったのですが、
偕成社の編集部の方々から、お話を入れたほうがよい、とアドバイスを受け、
文字を入れるために左右の幅を広くすることにしました。

さて、このあたりまでは順調だったのですが、
見開きごとに変わる10種類の動物たちと、部屋のヴァリエーションをどうするか、
また全体を通してのストーリーや、最後の100階をどうするか。
さらに、どんな絵をどんな技法で描くのか。
具体的に考えなければならないことがいっぱい出てきて、
絵本作り、ましてやお話作りに不慣れな僕は途方に暮れてしまいました。

登場人物を決め、ストーリーを考え、自分の絵で物語っていく。
これらのことは僕がこれまでずっと避けてきたことだったんです。

実は、中学生の頃、手塚マンガに夢中になって、マンガを描き始めたのですが
割とすぐに、自分にはお話を作る才能も、個性的な絵を描く才能もないなあ、と
自覚したんですね。

その後、アーティストになっていろいろな創作をするようになっても
そのあたりの分野には、ずっと手を出さないようにしていました。

ところが、今回それが一気に目の前に立ちはだかってしまったんです。
それからずいぶん悩みました…

でも最終的には、とにかく自分の好きなものを描こう、
自分が行ってみたい、住んでみたいと思う家を描こう、と思い始めてから、
徐々に気が楽になって、かなり細かい絵を楽しんで描けるようになりました。
描きたい部屋の様子を思いつくと、自然と登場人物の会話も思いつきました。

先ほどの最初の10階分は最終的にはこんな絵になりました。
f0118538_22422217.jpg
主人公の名前も、なかなか決められなかったのですが、
僕自身がこの家を探検するつもりで描こう、と思い
自分が子どもの頃に家族に呼ばれていた「トシくん」をもじって、
「トチくん」にしました。

地面から出発する物語でもあるので、
この名前には<トチ=土地>という意味も込めてあるのです。
by iwaisanchi | 2008-06-24 22:42 | ◆100かいだてのいえ
『100かいだてのいえ』ができるまで
みなさん、コメントありがとうございます!
たくさんの方が再開を楽しみにしてくださっていたことに感激してます!
(でもやっぱりなかなか更新できなくてすみません…)

前回ご紹介した新しい絵本、『100かいだてのいえ』ですが、
実はうれしいことに、発売直後からとても評判がよくて次々と注文が来たらしく
この分だと品切れになってしまうかも、と発売後一週間で増刷が決まりました!

それでも間に合わず、いま一時的に在庫切れになってしまっているそうです。
(来週には第2版ができあがる予定です)

まったく宣伝もしてないのに、僕も偕成社の担当さんもびっくりです。
本当にうれしいです。

買っていただいた方、ありがとうございます!

……

さて今回は、この『100かいだてのいえ』が生まれた経緯について
ご紹介することにしましょう。


2006年に『いわいさんちへようこそ!』が出版されて
半年くらい経った頃、突然偕成社の編集部の方からメールをいただきました。

『いわいさんちへようこそ!』や、僕が福音館書店の「母の友」に
書いたエッセイを読んでくれたそうで、そのメールには、

「岩井さんのなかに、いろいろとお話のたねになりそうなものが
あるような気が(勝手にですが…)していて、
なにか絵本のようなものができないかなあと思っております。」

と書かれていました。

僕のほうは、ロカちゃんとの遊びから生まれた『どっちがへん?』が
初めて絵本となり、絵本を作ることに対して面白さや手ごたえを
感じ始めていたところだったので
絵本の老舗である偕成社の方からのお誘いはとてもうれしく思いました。

お会いしてみると、メールをくれたその編集者の方は
秋重さんという、まだ若い20代の女性の方でした。

打ち合わせのあと、いろいろアイデアを考え始めたのですが、
『どっちがへん?』のように元のアイデアがすでにあるものならともかく、
本格的な絵本をゼロから考えるというのは初めてで、
どこから取り掛かっていいのかわかりません。

そんな中、漠然と、自分たちの生活やロカちゃんとの遊びから
アイデアが思い浮かんだらいいなあ、と思っていました。

さてその頃、小学校1年生になっていたロカちゃんは、算数を習い始めていたのですが
数字の桁上がりがなかなか理解できなくて苦労していました。
1、2、3、と数えていって、10まではいいのですが
11、12、と桁が上がると順序がよくわからなくなってしまいます。
さらに19の次がなぜ20になるのか、どうにも飲み込めません。

それを見ていて、そうだ、これって絵本にならないかな?と思いつきました。

例えば、絵本の最初の見開きに1から10が描かれていて
それがページをめくるたびに11から20、21から30、と進んでいく。
そして、10見開きで合計100になる、というものです。
f0118538_18301999.jpg
そんなことを考えていたある日、家族でお出かけした時にカフェでこんなものを作ってみました。
いつも持ち歩いているハガキサイズの紙に、鉛筆で建物を描いてみたのです。
f0118538_18325553.jpg
最初に描いたのは、下半分の1~10階までのペンギンさんの家。
それをロカちゃんに見せると大喜び。

「パパ、もっとかいて!」とせがまれたので、11~20階のヒヨコさんの家を
もう一枚の紙に描いて、ホッチキスでつないでみました。
すると、「ねえパパ!これでおはなしして!」とロカちゃんは大興奮。
それからしばらく、ふたりで小さな絵を指差しながら、ペンギンさんや
ヒヨコさんがどんな風に暮らしているかを即興で話して盛り上がったのでした。

とても楽しかったので、偕成社の秋重さんにすぐメールでこの画像を送ったところ、
いいですね~!と返事が届きました。

このアイデアを元に、最初は蛇腹式に長く伸びる絵本はどうか?という話にも
なったのですが、調べてもらうと、かなり紙を分厚くしないと破れやすく、
紙を厚くすると今度はあまり長いものはできないことがわかりました。

そこで、やっぱり最初のアイデアのようにページをめくっていくものに戻り、
まずはカレンダーのようにページをめくっていくダミーを作ってみたのですが、
あれ?上に昇っていかない!?試してみると、カレンダーとは逆に
上から下へページをめくらないと上に昇る感じがでないこともわかりました。

こんな風に、徐々に縦に開く絵本のアイデアが固まっていったのです。
by iwaisanchi | 2008-06-21 18:30 | ◆100かいだてのいえ
100かいだてのいえ
みなさん、大変ごぶさたしてしまいました!岩井パパです。
1ヶ月くらいのお休みのつもりが、2ヶ月も休んでしまいました…
そろそろかな、と何度ものぞいていただいた方、本当にすみません。
お待たせしました!

おかげさまで世界ツアーは大成功に終わり、ついにTENORI-ONも国内発売されました。
が、発売とともにアクセスが殺到してサーバーがダウンしてしまったり、といろいろありました。
この2ヶ月は本当に慌しくて、なかなか「いわいさんちweb」を再開できませんでした…

実はまだまだ落ち着かなくて、ゆっくりとしたペースになるのではないかと思いますが、
よろしくお願いします!

……

さて、さっそくですが、大きなお知らせをさせてください。

絵本・児童書の老舗である偕成社から、5月23日に僕の新しい絵本が刊行されました!
f0118538_1374047.jpg
タイトルは『100かいだてのいえ』といいます。

この絵本、実は1年半くらい前から、じっくり取り組んでいたもので
僕にとっては初の本格的な描き下ろしカラー絵本となります。

ぱっと見た目、普通の絵本ですが、実はこれまでになかった?スペシャルなアイデアを盛り込んであります。
それは…
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こんな風にタテに開くんです。
それも上から!

そしてページを開くと…
f0118538_213583.jpg
こんな思いっきり縦長の画面が広がります。

100階建ての家に住む誰かから手紙をもらった主人公トチくんが
その家のてっぺんめざしてどんどん上に登っていく―そんな感じを出すために、
縦に開いて、上から下へページをめくる、という前代未聞の絵本になりました。

ぜひ本屋さんで手にとってご覧ください!
by iwaisanchi | 2008-06-04 01:38 | ◆100かいだてのいえ


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