先日のNHKハイビジョン番組『わたしが子どもだったころ』では
撮影のために、実家から古い写真を探し出して使うことになったのですが、
アルバムには貼られていない、古い写真の束やネガからこんな写真を見つけました。



正確な日付はわかりませんが、これはたぶん1964年の1月か2月に
当時住んでいた古い実家の近くで撮影された写真。
僕は1歳3ヶ月ほど、ちょうど今のゆゆちゃんと同じくらいです。
僕の生まれた地方はめったに雪が降りません。
珍しくたくさん降った雪に、父はカメラを向け、母は姉と僕に厚着をさせて
外に連れ出したのではないでしょうか。
たぶんこの日が僕にとって初めての雪体験だったのでは?
田舎の母にメールでこの写真を送って見てもらい、電話でいろいろ聞いたところ
この日のことは覚えていないけれど、僕が着ているコートは母の手作りで、あずき色だったこと、
帽子も母の手編みだったこと、カメラは当時買ったばかりのオリンパスペンだったことなどを
とても懐かしそうに話してくれました。
3枚目の写真の上に写っているのは、父が作ってくれた鉄棒で
右側に下がっているのは、縄と板で作った小さなブランコ。
初めての雪の日に、小さなわが子に向けられたレンズ。
手作りのブランコ。
まさしく、今僕がロカちゃんやゆゆちゃんにしていることと一緒です。
いまこうして同じ年代の子どもを持って、この写真を眺めると
まるで当時の父の気持ちが、そのまま僕に流れ込んでくるような気さえします。